外眼部手術とは
硝子体手術・白内障手術・緑内障手術などの内眼手術と区別して、眼球のまわりを取り巻く器官・組織に対する手術を「外眼部手術(外眼手術)」と言います。
これらの器官・組織に異常があると、視力低下、目の痛みなどの原因となることがあります。また、美容上の問題として気にされている方も少なくありません。
外眼部の部位
外眼部手術では、主に以下のような部位に対して行われます。
- まぶた、まつ毛、涙腺といった「眼瞼」
- 外眼筋、視神経といった「眼窩」
- 涙小管、涙嚢、鼻涙管といった「涙道」
当院の外眼部手術の特徴
当院では、すべての患者さんに安心して外眼部手術を受けていただけるよう、以下のような取り組み、体制強化に努めています。
患者さんの立場に立ち、寄り添った治療を
外眼部の疾患や症状だけでなく、見た目の問題を気にされている方は少なくありません。患者さんお一人おひとりのお悩みやご希望を丁寧にヒアリングし、できる限り理想的な形での治療を提供します。
経験豊富な医師による幅広い診療内容
翼状片、眼瞼下垂、内反症、結膜弛緩、眼瞼皮膚弛緩、霰粒腫・麦粒腫など、ほぼすべての外眼部の器官・組織に対する手術を行っております。経験豊富な医師が執刀いたしますので、ご安心ください。
多くの実績を積んだ医師による、信頼できる執刀
整容面にも配慮が必要な外眼部手術においては、手術の技術が結果を大きく左右します。当院では、実績豊富で高い技術を持つ医師が、機能面・整容面を両立した外眼部手術を提供いたします。
痛みに配慮した安心安全な手術
麻酔の適切な使用はもちろん、患者さんへの事前の丁寧な説明、お声がけなどにより、心身をリラックスして手術に望めるよう、努めています。また切開は必要最小限に抑え、痛みのさらなる軽減を図ります。
最善の医療提供のために最新機器を随時導入
各種検査・治療機器は、常に最新のものを取り揃えております。また当院では、サージトロン(電気メス)を導入し、従来よりも出血が起こりにくい、早期回復が期待できる手術を提供しております。
外眼部手術の対象疾患
外眼部手術の対象となる主な疾患をご紹介します。
眼瞼下垂
主に加齢、紫外線、コンタクトレンズの長期使用などを原因としてまぶたの機能が障害され、視野が狭くなる等の症状が起こる病気です。視野を確保しようと目に力が入ることで、頭痛、肩こり、額のシワなどの原因になることもあります。治療では、手術が必要になります。伸びてしまった筋肉の筋を縫い縮める手術などを行います。
翼状片
白目を覆う結膜が、角膜の上に伸びてくる病気です。その翼のような形から、翼状片と呼ばれます。結膜が黒目部分を覆うことで、乱視、視野障害などの症状を引き起こします。初期には薬物療法を行いますが、日常生活に支障がある・見た目が気になる場合には、翼状片組織を剥がして切除する手術を行います。
内反症
いわゆる「逆まつ毛」を指します。まつ毛が眼球に当たることで、目の痛みや充血、ゴロゴロとした違和感、視力低下などの症状を引き起こします。多くは、瞼板の位置のズレを原因としています。まぶたの皮膚を切開し、瞼板の位置を調整する手術などを行います。
結膜弛緩
加齢などを原因として結膜の緩みが強くなる病気です。涙の排水口を塞ぎ、涙目・ドライアイを引き起こすことがあります。軽度であれば点眼治療で経過を観察しますが、症状が強く現れている場合には手術を検討します。
眼瞼皮膚弛緩
通常の眼瞼下垂とは異なり、まぶたを上げる筋肉には問題がないものの、まぶたのたるみによって視野が狭くなった状態を指します。埋没法、切除術(瞼縁皮膚切除術・眉毛下皮膚切除術)などにより、まぶたのたるみを取ることで、症状が改善します。
霰粒腫
主にマイボーム腺の詰まり・炎症によって、肉芽腫が形成される病気です。初期には点眼薬の治療を行いますが、肉芽腫が大きい場合には、手術によって摘出します。当院ではその他、IPL治療にも対応しております。
麦粒腫
主に細菌感染を原因として発症します。まぶたの赤み・腫れ・かゆみ、時に痛みを伴います。抗生物質の点眼治療が中心となりますが、膿が溜まっている場合には切開を加え、排膿させます。
眼瞼下垂とは
外眼部手術の代表的疾患である眼瞼下垂についてご説明します。
眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、上まぶたが正常な位置よりも下がってしまい、目を開けにくくなる状態を指します。まぶたが視界にかかることで見えづらさを感じたり、無意識に目を見開こうとして額に力が入ることで、頭痛や肩こり、額のシワの原因になることもあります。
このような状態が続くと、見えづらさを補うために額の筋肉を使って目を見開こうとするため、頭痛・肩こり・額のシワといった全身の不調を引き起こすこともあります。見た目の変化が気になる方も多く、生活の質に大きく関わる病気です。
このような症状はありませんか?
- まぶたが重くて、視界が狭く感じる
- 額にシワが増えた
- まぶたが下がっていると言われた
- 頭痛や肩こりが続いている
- 夕方になると目が開けにくくなるまぶた
こうした症状がある場合は、眼瞼下垂の可能性があります。放置してしまうと、視野の狭さだけでなく、身体全体への負担も大きくなってしまうため、早めのご相談をおすすめします。
眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂は、まぶたを引き上げる筋肉やその筋肉を支える腱膜の働きが弱くなることで起こります。特に多い原因は、加齢にともなう筋力や腱膜のゆるみです。年齢を重ねることで少しずつまぶたが下がってくるため、中高年の方に多く見られます。
また、長期間ハードコンタクトレンズを使用している方にも眼瞼下垂は起こりやすくなります。日々の装着・取り外しによるまぶたへの刺激が蓄積され、腱膜が徐々に傷んでしまうためです。このほか、白内障などの眼の手術歴や外傷によるダメージ、さらには神経や筋肉の異常が関与しているケースもあります。
原因や進行の程度は人によって異なるため、まぶたが下がってきた、視界が狭くなったと感じる場合には、早めの受診が大切です。
眼瞼下垂になりやすい方の特徴
以下のような方は、眼瞼下垂を発症しやすい傾向があります。該当する項目がある場合は、一度ご相談ください。
- 加齢によりまぶたの筋肉が弱くなってきた方
- 長年ハードコンタクトレンズを使用されている方
- 白内障などの目の手術を受けたことがある方
- まぶたが重く、無意識に額に力が入る癖がある方
- 最近、視野が狭くなったと感じる方
眼瞼下垂の治療(手術)
眼瞼下垂の治療には、症状の程度や原因に応じてさまざまな方法がありますが、根本的な改善を目指すには手術が最も効果的です。当院では、患者さま一人一人の状態を丁寧に診察し、最適な治療法をご提案いたします。
挙筋前転術(きょきんぜんてんじゅつ)
挙筋前転術は、まぶたを持ち上げる役割を果たす筋肉(眼瞼挙筋)の筋力が低下した場合に行われる手術です。この手術では、筋肉を短縮して再固定し、まぶたを持ち上げる力を改善します。通常、局所麻酔で行われ、日帰りでの手術が可能です。術後の回復が早く、見た目にも自然な仕上がりが期待できます。
前頭筋吊り上げ術(ぜんとうきんつりあげじゅつ)
挙筋前転術だけでは十分な効果が得られない場合、または非常に重度の眼瞼下垂がある場合には、前頭筋吊り上げ術を行います。この方法では、額の筋肉(前頭筋)を利用してまぶたを引き上げることで、視界の改善を図ります。こちらは特に挙筋の機能がほとんど失われている場合に適しています。
外眼部手術の流れ
1検査・診察
症状の原因となっている病気の特定、治療法の選定のため、各種検査を行います。
また医師が診察し、治療計画を提案します。ご理解・ご同意いただけましたら、次のステップへと進みます。
2術前検査
より正確かつ安全な手術を行うため、必要に応じて精密検査を行います。
3手術当日
麻酔をかけ、手術を行います。
4定期検査
手術の翌日、3日後、1週間後等、何度かご来院いただき、経過を観察します。
外眼部手術の注意事項
手術を受ける方には事前に詳しくご説明いたしますが、主に以下のような点について、ご注意ください。
- 手術当日は、飲酒、激しい運動をお控えください。
- 手術後3日間は、洗顔をお控えください。汗や汚れはタオルで拭くなどして清潔を保ちます。
- シャワー、入浴、目のまわり以外のメイクは、手術の翌日から再開可能です。ただし、シャワー・入浴の際、目に水がかからないようご注意ください。
- 手術から4日目以降は、上記の制限はなくなります。
外眼部手術の費用
3割負担の場合 | 2割負担の場合 | 1割負担の場合 | |
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翼状片 | 12,000円 | 8,000円 | 4,000円 |
眼瞼下垂 | 23,000円 | 15,000円 | 8,000円 |
霰粒腫 | 3,000円 | 2,000円 | 1,000円 |