- 目の疲れだけではない「眼精疲労」
- このような症状はありませんか?
- 眼精疲労の原因
- 眼精疲労を伴う病気
- スマホ使用で眼精疲労になる?
- 眼精疲労を治すには
- 眼精疲労に効くツボ・マッサージ
- 眼精疲労は眼科に行くべき?
目の疲れだけではない「眼精疲労」
眼精疲労とは、目の酷使などを原因として、目の痛み、かすみ目、充血、頭痛、めまい、肩こりといった、目と全身の症状が慢性化する病気です。
疲れ目とは異なり、少し休んだだけでは改善しないため、眼科での治療をおすすめします。
このような症状はありませんか?
目と全身の症状が、休んでもなかなか改善しないという点が、眼精疲労の特徴です。
目の症状
- 目の痛み
- 目の奥の痛み
- かすみ目
- 充血
- 目の乾燥、かゆみ
- 眩しさ
- 目がショボショボする
全身の症状
- 頭痛
- めまい
- 肩こり、首のこり
- 吐き気
- 不眠
- 食欲不振
- 集中力の低下
眼精疲労の原因
眼精疲労の主な原因は、目の酷使です。具体的には、スマホ・パソコンの長時間使用、度数の合っていない眼鏡・コンタクトレンズの装用などが挙げられます。
また、白内障、緑内障、ドライアイなどの眼疾患を原因として、眼精疲労を発症することもあります。
眼精疲労を伴う病気
以下のような眼疾患によって目が酷使され、眼精疲労を発症することがあります。
ドライアイ
涙の量の不足、涙の層の安定性の低下などにより、目の乾き、目のかすみ、眩しさ、目の疲れ、ゴロゴロとした異物感などの症状が引き起こされます。特に、眼精疲労と合併しやすい眼疾患です。
白内障
加齢などを原因として、水晶体が白く濁ってしまう病気です。かすみ目、眩しさ、視力低下などの症状を伴います。40歳以上の方は、白内障・緑内障・老眼などの早期発見のため、定期的に眼科で検査を受けることをおすすめします。
緑内障
眼圧の上昇などを原因として、視神経・網膜が障害される病気です。視野の狭窄や欠損、物が歪んで見える等の症状を伴います。緑内障は、日本人の失明原因の第1位の病気です。
眼瞼下垂
加齢などを原因としてまぶたが上がりにくくなり、視野(特に上方)が狭くなる病気です。物を見る時に無意識にまぶたを上げようとすることで、目のまわり、額の筋肉を酷使します。額のシワの原因にもなります。
加齢黄斑変性症
加齢を原因として、網膜の中心にある黄斑が障害される病気です。初期には、物が歪んで見える、中心部が暗く見えるなどの症状を伴います。進行すると、視野が狭くなり、視力も低下します。
糖尿病網膜症
糖尿病の3代合併症の1つです。糖尿病に伴う動脈硬化によって、網膜の血管が障害されます。初期にはほとんど無症状ですが、進行すると疲れ目や目の重さなどが現れます。糖尿病と診断された時点で、眼科での定期的な検査を開始しましょう。
屈折異常、老眼
近視・遠視・乱視といった屈折異常、老眼があると、物を見る時に目に負担がかかります。眼鏡・コンタクトレンズなどで正しく矯正しましょう。
眼鏡・コンタクトレンズ
度数の合わない眼鏡・コンタクトレンズの装用によって目が疲れ、眼精疲労を起こすことがあります。
身体の不調
風邪、インフルエンザ、生活習慣病、虫歯・歯周病、更年期障害などがあると、眼精疲労を起こしやすいと言われています。
生活環境・仕事環境
スマホやパソコンの長時間使用、エアコンの風などが眼精疲労、あるいはドライアイの原因になることがあります。
ストレス
強いストレスを受け続けると、全身の筋肉の緊張、血流の低下が起こります。これにより、眼精疲労のリスクが高くなるおそれがあります。
スマホ使用で眼精疲労になる?
現代社会では、スマートフォンやタブレットが日常生活に欠かせないものとなっています。
しかし、長時間の使用によって眼精疲労を引き起こすことがあります。
なぜスマホで目が疲れるのか?
- まばたきの回数が減りドライアイになりやすい
- 小さな文字を凝視することでピント調節機能が酷使される
簡単にできる予防策
- 画面との距離を30cm以上保つ
- 20分ごとに20秒画面から目を離して遠くを見る(20-20-20ルール)
- 部屋を明るくし画面の明るさを適度に調整する
- 意識的にまばたきを増やす
- ブルーライトカット眼鏡やナイトモードを活用
目の疲れが頭痛や肩こりにつながることもあります。症状が続く場合は、眼科での診察をおすすめします。
当院では、眼精疲労の診察・治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
眼精疲労を治すには
以下のような方法で、眼精疲労の改善が期待できます。ただし、十分な効果が得られないこともあります。試してみたけれど改善しないという場合には、当院にご相談ください。似た症状を持つ他の眼疾患と鑑別した上で、適切な治療を行います。
目と身体を休める
眼精疲労は、主に目の酷使を原因として発症します。まずは目、そして身体を休めることで、症状の悪化を防ぎましょう。睡眠はもちろん大切ですが、日中に椅子に座って目を閉じる、パソコン・スマホ時間の短縮も、目を休ませることになります。
仕事でずっと目を使うという方は、ときどき遠くを見ることをおすすめします。遠くを見ることで、目の筋肉をリラックスさせることができます。
作業中のまばたきの回数を増やす
パソコンなどの作業に集中している時は、無意識にまばたきの回数が減少し、目の乾きやドライアイの原因となります。目が乾くと目も疲れやすくなるので、意識的にまばたきの回数を増やすようにしましょう。
ホットタオル・ホットアイマスクで目のまわりを温める
ご自宅で、ホットタオル、ホットアイマスクで目を温めるという方法です。筋肉がリラックスし、血流も改善します。
※目を酷使した直後で、充血している・痛みを感じる場合には、温めると逆効果になるおそれがあります。冷たいタオルなどで冷やすのがおすすめです。
目の健康に良い食品・栄養素を摂る
バランスの良い食事を摂ることを前提とした上で、目の疲れを取ってくれる・健康を守ってくれる食品・栄養素を取り入れましょう。
なお当院では、ビタミンCやルテインなどのサプリメントもご用意しております。
ビタミンA
レバー、緑黄色野菜に多く含まれます。
目の粘膜を保護したり、網膜の状態を改善する効果が期待できます。
ビタミンB群
赤身の差かな、ヒレ肉、ささみなどに多く含まれます。
目の疲れを軽減する効果が期待できます。
ビタミンC・D・E
ビタミンCはイチゴ・ピーマン・ブロッコリーなどに、ビタミンDは魚・きのこ類・卵黄などに、ビタミンEは鶏卵・アーモンド・かぼちゃなどに、それぞれ多く含まれます。
ビタミンC・Eは水晶体の老化防止、ビタミンEは目の機能の活性化の効果が期待できます。
DHA
青魚、赤身の魚などに多く含まれます。
疲れ目・目の乾燥・視力改善といった効果が期待できます。
アントシアニン
ベリー類、黒豆、むらさき芋・ナスなどに多く含まれます。
目の神経伝達の改善、光を感じ取るロドプシンの再合成の促進といった効果が期待できます。
ルテイン
緑黄色野菜に多く含まれます。
目の酸化・老化を防ぐ効果が期待できます。
眼精疲労に効くツボ・マッサージ
眼精疲労に効くと言われるツボ・マッサージをご紹介します。
マッサージ
指の腹を使って目のまわりを優しくマッサージすることで、血流の改善が期待できます。
両手のひらをこめかみに当てて上に向かって押し上げるマッサージ、目をつぶった状態で眼球を上下左右に動かすマッサージなども有効です。
ツボ
目のまわりには、たくさんのツボがあります。
左右同時に押し、2~3回繰り返しましょう。
攅竹(さんちく)
眉頭(眉の鼻側)の内側の、骨の少し凹んだ部分です。
かすみ目の改善が期待できます。
晴明(せいめい)
目の内側、その少し上のくぼみです。ドラマや目薬のCMなどでも、このツボを押すシーンが見られます。
目や目の奥の痛みの軽減が期待できます。
太陽(たいよう)
こめかみの真下の、頬骨の少し上のくぼみです。
目の疲れ・痛みの改善が期待できます。
眼精疲労は眼科に行くべき?
眼精疲労は、単なる疲れ目とは異なり、少し目を休めた程度では改善しません。
目を休める、まばたきの回数を増やす、目のまわりを温める、食生活を改善する、マッサージ・ツボ押しなどによるある程度の改善は期待できますが、他の眼疾患、屈折異常・老眼が原因になっていることも少なくありません。
眼精疲労を早く治して安心して毎日を過ごせるように、また他の眼疾患の早期発見・早期治療のためにも、眼精疲労の症状がある場合にはお眼科を受診されることをおすすめします。