- 痛くない?硝子体注射とは
- 当院の硝子体注射(抗VEGF薬治療)の特徴
- 当院で取り扱う硝子体注射の種類
- 硝子体注射の対象となる疾患と効果
- 時間はどのくらいかかる?硝子体注射の方法
- 硝子体注射(抗VEGF治療)の流れ
- 硝子体注射後の注意事項
- 硝子体注射(抗VEGF治療)の費用
痛くない?硝子体注射とは
硝子体注射とは、その名の通り、眼球の大部分を占める「硝子体」に行う注射のことです。注入するのは抗VEGF薬であり、新生血管を促進する「VEGF(血管内皮増殖因子)」の働きを阻害する作用を持ちます。
硝子体注射は、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの疾患に対する治療の1つです。新生血管の発生抑制・退縮促進、毛細血管からの血液の漏れ出し抑制といった効果により、視力の改善を図ります。
点眼麻酔をした上での注射となりますので、基本的にほとんど痛みはありません。抗VEGF薬の効果は、約2ヶ月続き、再発時には硝子体注射の追加を検討します。
当院の硝子体注射(抗VEGF薬治療)の特徴
患者さんに安心して治療に臨んでいただくため、当院では以下のような取り組み・工夫を行っています。
分かりやすい説明、寄り添った治療を
特に初めて硝子体注射を受ける方は、不安や心配もあるかと思います。当院では、硝子体注射のメリットや効果だけでなく、デメリットや副作用、治療開始後の見通しなどについて、事前に丁寧にご説明します。
痛みに配慮した安心安全な治療
点眼麻酔をした上での注射であるため、基本的に痛みのない治療です。当院ではさらに、丁寧な事前説明、治療時のお声がけなどにより、心身がリラックスした状態で治療を受けていただけるよう、努めています。
最新の機器による詳しい検査の実施
当院では、患者さんに最善の医療を提供するため、最新の設備を取り揃えております。高度な検査機器によって詳細な検査を行うことで、治療の安全性・確実性を最大限に高めます。
当院で取り扱う硝子体注射の種類
硝子体注射では、抗VEGF薬を硝子体へと注射します。
当院では、アイリーア、ルセンティス、ベオビュ、バビースモ、ラニビズマブという抗VEGF薬を取り扱っております。
アイリーア
治療効果が高く、副作用の少ない薬剤です。
現在、国内でもっとも多く使用されている抗VEGF薬となります。
ルセンティス
アイリーアと比べるとやや効果が低く、再発のリスクが高くなります。
ただし、全身的な副作用が、アイリーアより少ない薬剤です。
ベオビュ
ベオビュは、加齢黄斑変性に対する新たな治療薬です。ルセンティスやアイリーアに比べ、効果の持続期間が長いため、治療回数を減らすことが期待できます。
バビースモ
バビースモは、加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫の原因となる物質の働きを抑える治療薬です。従来の薬剤に比べて効果が長く持続します。
ラニビズマブ
ラニビズマブは、ルセンティスと同等の効果・安全性が認められた後発薬です。コストを抑えながら、加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫などの治療を続けることが可能です。
硝子体注射の対象となる疾患と効果
加齢黄斑変性症
主に加齢を原因として、黄斑が障害される病気です。視野の中心部がぼやける・歪む・暗くなる、視力低下などの症状を伴います。滲出性加齢黄斑変性症の場合には、急激な視力低下が起こることがあります。
効果
新生血管の成長を阻害し、毛細血管からの血液の漏れ出しを改善します。これにより、視力の低下を防いだり、視力が改善したりといった効果が期待できます。
糖尿病網膜症
糖尿病に伴う動脈硬化で、網膜の血管が障害される病気です。初期はほぼ無症状ですが、進行すると物が歪んで見える、視野が暗くなる・かすむ等の症状が出現します。増殖糖尿病網膜症の場合には、眼底出血や網膜剥離を起こすことがあります。
効果
新生血管の成長を阻害し、毛細血管からの血液の漏れ出しを改善します。これにより、視力の改善・安定化といった効果が期待できます。
網膜静脈閉塞症
網膜内の静脈が閉塞し、血流が低下する病気です。網膜の出血、むくみの原因となり、視力低下を引き起こします。
効果
新生血管の成長を阻害することで、浮腫を抑制します。これにより、視力改善が期待できます。
糖尿病黄斑浮腫
糖尿病によって黄斑部に液体がたまり、視力低下、ぼやけて見える等の症状を伴う病気です。
効果
新生血管の成長を阻害することで、黄斑部の浮腫みを抑えます。これにより、視力の改善・安定化が期待できます。
血管新生緑内障
主に糖尿病や網膜静脈閉塞症を原因として、虹彩や前房角に新生血管が生じる病気です。眼圧が上昇し、視神経が損傷します。
効果
新生血管の成長を阻害することで、眼圧低下を促進し、視神経を守ります。
病的近視
強い近視によって眼軸長が過剰に伸び、網膜に負担がかかる病気です。網膜下に新生血管が生じることで、出血・液漏れを引き起こされ、視力低下を招くことがあります。
効果
新生血管の成長を阻害することで、出血・液漏れを減らします。視力の改善・安定化が期待できます。
近視性脈絡膜血管新生
病的近視を原因として新生血管が生じる病気です。網膜下で出血・液漏れが生じ、視力低下を招きます。
効果
新生血管の成長を阻害し、出血・液漏れを減少させます。これにより、視力の改善・安定化が期待できます。
時間はどのくらいかかる?硝子体注射の方法
点眼麻酔をした上で、白目部分から注射針を刺し、抗VEGF薬を硝子体へと注入します。
点眼麻酔によって、ほとんど痛みは感じません。
注射にかかる時間は、約1分です。
硝子体注射(抗VEGF治療)の流れ
1検査・診察
病気の診断、治療法の選定のための各種検査を行います。
硝子体注射の適応となる場合には、その内容を詳しくご説明します。ご理解・ご同意いただけましたら、次のステップへと進みます。
2治療2日前~
感染を防ぐための点眼薬の使用を開始します。
3治療当日
まず視力検査・眼圧検査、散瞳薬の点眼を行います。
その後、点眼麻酔をさした上で、硝子体注射を行います。
治療後は、少しお休みになってから、お帰りいただきます。
4治療翌日
治療の翌日、経過を観察するためにご来院いただきます。
5定期的な通院・追加治療の検討
定期的に通院し診察・検査を受けていただき、必要に応じて追加で硝子体注射を行います。
導入期には1ヶ月に1回の通院が、その後は1~3ヶ月ごとの通院が必要です。
硝子体注射後の注意事項
硝子体注射の後は、以下のような点にご注意ください。
眼帯について
治療後は、眼帯をご使用いただきます。翌日の診察で問題がなければ、外していただけます。
洗顔・洗髪・入浴
治療当日は、洗顔・洗髪・入浴ともできません。首から下のシャワーはできますが、顔・目に水がかからないよう、十分にご注意ください。
メイク
治療当日は、メイクをお控えください。
運転
車やバイクの運転は、1週間程度お控えください。
点眼薬
治療後、点眼薬を処方します。用法用量を守り、正しくお使いください。
副作用・合併症について
治療後、一時的に視野にもやがかかったように見えることがありますが、通常は自然に解消します。
また稀に、網膜剥離、水晶体損傷、硝子体出血、眼内炎などの合併症を起こすことがあります。異常を感じた時には、すぐに当院にご連絡ください。
硝子体注射(抗VEGF治療)の費用
3割負担の場合 | 2割負担の場合 | 1割負担の場合 | |
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ルセンティス | 40,000円 | 25,000円 | 13,000円 |
アイリーア | 45,000円 | 30,000円 | 15,000円 |
ベオビュ | 46,000円 | 30,000円 | 15,000円 |
バビースモ | 53,000円 | 35,000円 | 18,000円 |
ラニビズマブ | 30,000円 | 20,000円 | 10,000円 |